モラトリアム

「華、危ないから、前向けよ」


ノボルの声にビクン、となり、顔を上げると、


黒髪のアイツが、

ノボルの肩越しにアタシを見ていた。


2・3秒、

目が合ったまま動けなかった。



『本当はキスなんてしたくなかったんだろう?』



そう、
見透かされている気がした。