それから客さんはいろいろ探偵屋に苦情を言って帰っていった


「…」

真之助はまだ落ち込んでいた

「し…真之助君。
あいつが言ったことは気にすんな」


そっちのショックじゃないし
スベッタことのショックだし
それに客さんが…あの客さんが気遣いしたことで余計ショックだし

「しっかし、今まででにないタイプだな
いっさいボケないし」

「…そうですね」

「…まぁほらあれだよ。あれ。明日になったらまた来るだろ」


「…そうですね」

「「…」」


探偵屋の中は珍しく静かだった