朝陽のもっと向こう側

そして時は流れ・・・

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7月5日。

結城高校。

担任「今月末からは夏季休業になる。 だが、ハメを外しすぎるなよ? 受験は夏が勝負だからな」

まだ7月になったところ。
それなのにクラスはともかく、教師まで夏休みの話をしている。

あゆむ「そんなに待ち遠しいものかね・・・」

メグ「推薦組はもう決まっている人もいるからね。 あとは遊ぶだけって人もいるし」

あゆむ「僕も推薦受ければよかったよ」

メグ「そんなこと言ったって始まらないでしょ。 もう少しがんばろうよ」

7月の風は暖かい。
その暖かさが心地よく、少し気持ち悪く僕に吹きつける。

メグ「今日も美緒の所に行くの?」

あゆむ「え、うん。 そのつもりだけど? 一緒に行く?」

メグ「そうね。 ちょっと会えなかったから、久しぶりに行こうかな。 元気にしていた?」

あゆむ「別に何も変わってないよ。 どうして入院しているのかもわからないくらいだし」

僕はほぼ毎日、病院に通っていた。
おばあちゃんは一ヶ月前くらいに退院したけど、
美緒に会うために、学校が休みの日でも病院に行くことは稀ではなかった。

メグ「そう。 じゃあ、もう少しだけ待っていて。 教室の掃除が終わったらすぐに行くから」

あゆむ「わかった。 正門の前で待っているよ」

僕は帰り支度をすると、鞄を肩にかけて学校を出た。

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