あゆむ「なんで・・・」

美緒「・・・?」

あゆむ「どうして・・・ここに残ったんだ?」

美緒「・・・別に。 もう始まっているし、途中から聴くの好きじゃないし。 もっと簡単に言うと、ただの気まぐれよ」

あゆむ「・・・」

美緒「ひとつ聞いてもいい?」

あゆむ「・・・?」

僕は頷いた。

美緒「どうして昨日は病院に来なかったの?」

あゆむ「え・・・?」

・・・

祐司『美緒は他人を受け入れることが難しい。 君が病院に来ることも、彼女には負担になってしまうんだ』

確かに彼はあの時にそう言った。

それだけじゃない。
僕自身もなんとなく気付いていたことだ。

でも・・・

美緒「ねぇ、どうしたの?」

あゆむ「あ・・・」

美緒「大丈夫? さっきから変だけど」

あゆむ「何でもないよ」

美緒「そう? それならいいけど」

そう言って彼女は立ち上がり、歩いていった。

すぐそばにあった自販機の前で止まり、
両手にジュースを持って戻ってきた。

美緒「はい」

あゆむ「ありがと」

そしてそのまま横に腰掛けた。