朝陽のもっと向こう側

圭悟「そういえば今日だったか? あいつの・・・」

夏希「えぇ。 先生は行かないんですか?」

圭悟「あまり騒がしい所は好きじゃない。 もともと俺は静かな方がいいんだ。 君こそ行かないのか?」

夏希「ほとんど毎回行っていますから。 今日は知り合いに譲りました」

圭悟「・・・君の言っていた、白石君か?」

夏希「彼は、祐と会うべきです。 そうすることで・・・」

圭悟「もう既に会っているぞ?」

最後まで言う前に、圭悟先生に遮られた。

夏希「え?」

もう・・・会っている?

夏希「な・・・なんで?」

圭悟「昨日の夜にあいつが来てな。 それで話を聞いた・・・って、ぎゃあぁぁぁぁ・・・!!」

全力で首を絞めた。

夏希「ど・う・し・て・・・!! そういう大事なことを私に言わないんですかぁ・・・!!」

圭悟「わ、悪かった・・・」

夏希「はぁ・・・」

なんだか一気に力が抜けた感じ。

圭悟「たいした話はしていないようだ」

夏希「そう」

できるだけ早いほうがいいと思っていたけど、
まさかもう会っていたなんて。

あのバカ、余計なこと話してないでしょうね・・・
彼は彼で祐に対してよい印象を持っていないし。
あいつの場合はあの性格だから、すぐに関係を拗らせてしまいがちだし。

夏希「ったく・・・」

とにかく今は2人に任せるしか・・・

圭悟「誰かが仕掛けなくても、時間は移ろい、物語は知らない間に始まるものだ」

夏希「・・・そうですね」

・・・

・・・