朝陽のもっと向こう側

翌日。

結城高校。
放課後。

あゆむ「・・・」

メグ「・・・まだこの調子なの?」

尚人「そうみたいだな。 昨日からずっとこうだよ」

メグ「どうしたら治るのかな」

慎二「難しいね。 あゆむって昔から何かあるとずっと悩みつづけるから」

尚人「仕方ない。 俺がちょっと喝を入れてやるか」

メグ「・・・あまり手荒なことはしないでね」

慎二「そうそう。 今日はどうしてもあゆむを連れて行かなきゃならないんだから」

尚人「な~に、心配要らない。 一種のスキンシップだ・・・どれ」

あゆむ「・・・で? 3人でいったい何を企んでいるのさ」

さっきから人の後ろでコソコソ動く3人に僕は静かに、それでも力を込めて言った。

メグ&慎二「あ・・・」

尚人「・・・ゲッ」

尚人の両腕が後ろから僕の首にかかる瞬間、3人はほぼ同時に声を発した。

僕は尚人の腕をギリギリと力を込めて掴んだ。

尚人「いでで!! ギブ! 悪かったって!!」

尚人が奇声を上げて僕の腕をパンパン叩く。

僕はそのサインを見て、力を抜いた。

尚人「ふぅ・・・馬鹿力め・・・」

小さな声で言っても聞き逃さない。
僕は再び力を込めた。

尚人「!! ウソウソ!!」

僕の手が離れた瞬間、尚人はそのまま地面に伏した。

メグ「で、話なんだけどさ」

あゆむ「・・・この状況でいきなり本題ですか。 いい性格しているな」

慎二「ごめんね、こっちも急用なんだ」