夏希「あゆむ君のお婆ちゃんが710号室に入院なさっているのよ。 それでお見舞いに来た所を捕まえたってわけ」

明日香「あぁ、そうなんだ。 よろしくね、えっと・・・あゆむ君」

あゆむ「あ、はい。 よろしくお願いします」

明日香「今日は違うと思うけど、白石さんの担当になることもあると思うから。 あ、私の自己紹介まだだったね。 看護師の霧島明日香っていいます」

あゆむ「あ、白石あゆむです・・・」

夏希「君はさっき自分で名乗ったでしょ」

あゆむ「え!? あ、そうでした・・・」

夏希「もしかして・・・見惚れていた?」

あゆむ「え!? な、何言ってるんですか!」

夏希「あぁ~! はいはい、わかった、わかったから。 ところで明日香?」

一瞬、夏希さんの目が笑ったのを見逃さなかった。
否、見なかったほうが絶対によかった。
もう遅いけど。

明日香「なに?」

夏希「あゆむ君ね~、結城高校なんだってさ」

明日香「あ、そうなの? 私たちと一緒だね~」

あゆむ「お二人って・・・同じ年齢だったんですか!?」

夏希「何か言いたいことでも?」

あゆむ「いえ、ないです。 全くないです。 ごめんなさい」

夏希「どうして最後に謝るのよ・・・それでね?」

明日香「??」

夏希「今その話していてさ~? あゆむ君、明日香の彼氏のこと嫌いなんだってさ~。 すっごい悪口言ってたよ?」

明日香「え?」

あゆむ「ちょ、ちょっと待ってくださいよ、夏希さん!! そんなこと一言も言ってないじゃないですか!!」

明日香「えっと・・・話がよく見えてこないんだけど?」