朝陽のもっと向こう側

夏希「あれ? もう帰るの?」

ナースステーションの前を通りかかった時に、さっきの看護師さんが声をかけてきた。

あゆむ「はい、今少し眠るそうなので」

夏希「あ、そっか。 じゃあ私はもう少し時間を置いてから行ってみようかな」

あゆむ「あ、お婆ちゃんのこと、よろしくお願いします」

夏希「そんなに固くならなくていいのに。 あ、私の自己紹介まだだったね」

あゆむ「あ、そういえば」

名前は夏希さんってことはお婆ちゃんが言っていたからわかったけど、
上の名前聞いてなかった。

夏希「高嶋夏希よ。 今日、白石さんを受け持たせてもらっているの。 よろしくね」

あゆむ「高嶋さん、ですか」

夏希「あぁ~・・・名字で呼ばれるの慣れてないから、夏希でいいよ。 で、君の下の名前は?」

あゆむ「あ、白石あゆむです。 よろしくお願いします」

夏希「あゆむ君・・・かぁ。 高校生?」

あゆむ「え、あ、はい。 高校3年です」

夏希「若いなぁ~。 あ、それはそれとして、今時間・・・大丈夫?」

あゆむ「え? はい、いいですけど」

夏希「じゃあ、向こうの談話室行こっか」

僕は夏希さんの後に続いて談話室に向かった。

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