Rain

『すごーい!めっちゃ綺麗やん』


『やろ?』




海遊館の中でもあたし達は少し距離があったよね?


あたしにはその少しの距離がものすごく大きく感じた。





『彼女と来たりしてたん?ここ』


『ん?時々』



時々かぁ…。

今って彼女おるんかな…
おるやんな…

おらんかったらいいのに。





『か、彼女今おるん?』


『ん?何で?』


『いや…なんとなく』


『微妙やなぁ』




心臓がバクバクしてた。


あたしガキみたいに一人でドキドキして。



聖夜くんが言った“微妙”って言葉に妙に動揺したりもしてた。



おるん…やんな?彼女。



でも、あえてふれなかった。


聞きたくなかっただけやけど。