Rain

ププッ


マンションを出た時、車のクラクションが鳴った方向を見ると聖夜くんの愛車、白のオデッセイが止まってた。



降りしきる雨の中傘を広げるとあたしは小走りで車に向かい乗り込んだ。




『あんだけしか歩いてないのにビショビショやぁ』


『まぁ梅雨やからなぁ』



聖夜くんはそう言うと、とりあえず車を出した。



『どこ行く?行きたいとこある?て雨やもんなぁ』


『うーん…どこでもいいよ!まだ夕方やし☆』




時刻は四時半。

外は大雨。


あたしと聖夜くんは初めてのデート?






『飯はまだ早いし…海遊館は?あそこなら濡れへんしいいんちゃう?俺けっこー好きやねん』


『うん行きたーい☆』





あたし、海遊館なんて行きたいと思ったことなかった。


魚見て何が楽しいねんって。



でもこの時は違ってた。


聖夜くんが好きなら行ってみたいと思った。