「どう、しようか……」
完全に取り残された添は、寝殿造の中でぽつりと呟いた。近くにいる明洲に出来る事なんて無いし、かといってあの状態にある要に何か言う事は出来ない。
ということはつまりここで完全に足止めを食ったということ。またまた厄介な問題に巻き込まれたと、添は頭を抱えた。
「……明洲さん」
「……………………」
「まあ、喋れないんならいいですが、一身の都合上、能恵さんに電話しますんで」
「……………………」
「俺のせいなのか?」
携帯を耳に当てながら呟くが、明洲からは何の反応も無い。精巧に作られた人形のようにすら思えるし、まさかこれが作品なのかとも思う。
しかしこれは確かな人間であって作り物ではない。これを作ったのが誰かと聞かれれば、ひょっとしたら答えは添だ。
『もしもーし。どしたのー? まだ学校?』
「京都」
『ほえ?』
「……要さんに拉致られて、今京都にいるんですよ」
『かなちゃんがそえに何の用なのよー! って言いたいんだけど、そえ、ウインドノベル読んだでしょ? あれこそどーいうことなのよー』
話が早かった。ぱらりと電話の向こう側でページをめくる音がする
完全に取り残された添は、寝殿造の中でぽつりと呟いた。近くにいる明洲に出来る事なんて無いし、かといってあの状態にある要に何か言う事は出来ない。
ということはつまりここで完全に足止めを食ったということ。またまた厄介な問題に巻き込まれたと、添は頭を抱えた。
「……明洲さん」
「……………………」
「まあ、喋れないんならいいですが、一身の都合上、能恵さんに電話しますんで」
「……………………」
「俺のせいなのか?」
携帯を耳に当てながら呟くが、明洲からは何の反応も無い。精巧に作られた人形のようにすら思えるし、まさかこれが作品なのかとも思う。
しかしこれは確かな人間であって作り物ではない。これを作ったのが誰かと聞かれれば、ひょっとしたら答えは添だ。
『もしもーし。どしたのー? まだ学校?』
「京都」
『ほえ?』
「……要さんに拉致られて、今京都にいるんですよ」
『かなちゃんがそえに何の用なのよー! って言いたいんだけど、そえ、ウインドノベル読んだでしょ? あれこそどーいうことなのよー』
話が早かった。ぱらりと電話の向こう側でページをめくる音がする
