「……相変わらずボロボロの家ですね」
「明洲の好みだよ。自動ドアの寝殿造ってのは洒落てるとは思うけれどね」
「色々と洒落てるのがクリエイターですかね……」
「それは当て付けかい?」
「別に」
地下鉄を降りてしばらく歩いて、つい最近訪れたばかりの明洲のアトリエ。最初訪れた時は色々な事に驚くばかりだったけれど、今日はただ妙な緊張感に足がすくむ。生首とか脳みその模型とかが出て来るほうがマシな気がした。
躊躇う事なく要はずんずん中へと進む。そして1番大きな建物の障子を思い切り開けて、中に入って行った。要はそして立ち止まる。いや、立ち尽くす。
「……相変わらず不器用だ、君は」
真っ白に燃え尽きたように、世界明洲が畳に座り込んでいた。あの日会ったのと同じ格好だったけれど、何もかもを失った枯れた若者が、そこにいた。
「明洲の好みだよ。自動ドアの寝殿造ってのは洒落てるとは思うけれどね」
「色々と洒落てるのがクリエイターですかね……」
「それは当て付けかい?」
「別に」
地下鉄を降りてしばらく歩いて、つい最近訪れたばかりの明洲のアトリエ。最初訪れた時は色々な事に驚くばかりだったけれど、今日はただ妙な緊張感に足がすくむ。生首とか脳みその模型とかが出て来るほうがマシな気がした。
躊躇う事なく要はずんずん中へと進む。そして1番大きな建物の障子を思い切り開けて、中に入って行った。要はそして立ち止まる。いや、立ち尽くす。
「……相変わらず不器用だ、君は」
真っ白に燃え尽きたように、世界明洲が畳に座り込んでいた。あの日会ったのと同じ格好だったけれど、何もかもを失った枯れた若者が、そこにいた。
