「そえ君、1ついいかい」
「はい……」
「僕が嫌いな事はだね、締切過ぎて提出された原稿のクオリティが低すぎる事と、あからさまに盗作の作品を新人賞に送り付けてくる輩と……、僕の友情を愚弄するゴミだよ。例えあっちゃんのお気に入りとはいえどそれは許さない。あまり触れるな。高速道路にたたき落としてアスファルトに咲く一輪のバラにでもしていいんだ」
「……すみま、せん」
「あっちゃんが気付かない? そんな事あるわけないだろう。あっちゃんは一度見た顔を忘れないし、明洲なんだから。君の見間違いだ、間違いなくな」
「そうだといいんですけど……。あの、どこか嫌な予感がするというかですね、どうして世界明洲賞だなんて、あんなものを」
「そう、だったね」
怒りの色合いは消えたのだろうか。しかしスピードは時速160キロを越える程で、もはやスピード違反は間違いないもの。ハンドルをコツコツと叩く指は、要の苛立ちを表しているのだろう。
ポケットからもう一度飴を取り出し口にほうり込む要。それからおもむろに話し始めた。
「はい……」
「僕が嫌いな事はだね、締切過ぎて提出された原稿のクオリティが低すぎる事と、あからさまに盗作の作品を新人賞に送り付けてくる輩と……、僕の友情を愚弄するゴミだよ。例えあっちゃんのお気に入りとはいえどそれは許さない。あまり触れるな。高速道路にたたき落としてアスファルトに咲く一輪のバラにでもしていいんだ」
「……すみま、せん」
「あっちゃんが気付かない? そんな事あるわけないだろう。あっちゃんは一度見た顔を忘れないし、明洲なんだから。君の見間違いだ、間違いなくな」
「そうだといいんですけど……。あの、どこか嫌な予感がするというかですね、どうして世界明洲賞だなんて、あんなものを」
「そう、だったね」
怒りの色合いは消えたのだろうか。しかしスピードは時速160キロを越える程で、もはやスピード違反は間違いないもの。ハンドルをコツコツと叩く指は、要の苛立ちを表しているのだろう。
ポケットからもう一度飴を取り出し口にほうり込む要。それからおもむろに話し始めた。
