「何があったか分からない。君との出会いが引き金なのかも分からないし、あっちゃんですら……」
「要さん。明洲さんに最後に会ったの、いつですか?」
「え?」
「1つ無礼を前提に聞きます。というよりは、要さんか能恵さんの話にいくらか矛盾があるかもだし、それを掘りますね」
「……最後に明洲と会ったのはもうずっと前になる。原稿の送り合いでのコミュニケーションが主体で、明洲は新年会とかにも出ないから、もう何年になるやら」
「それは能恵さんも同じですか?」
「知らないよ。あっちゃんは忙しいんだから、僕や明洲に関わる事はそこまでなかった。だから明洲とも会ってないだろうね」
「要さんはどうやって明洲さんと知り会いましたか?」
「あっちゃんが連れて来た」
「その時から明洲さんはスケッチブックで会話してたんですよね」
「そうだよ。最初は苦労したな、あれに慣れるのは。しかし彼は本当に筆が速い。僕と普通に会話するから」
「明洲さんってどんな人ですかね。外見とか、容貌とか」
「爽やかというか何と言うかだったな。ラフな恰好をいつもしていて、けれど飾らないいい男だと思う」
「……1つ」
車はトンネルに入る。車内を暗く染め上げ、そしてオレンジのライトが次々と通り抜けていった。長い長いトンネルは、ゴーッという音だけが響く。
お互いの表情が理解出来ないこの状況。添は口を開いた。
「要さん。明洲さんに最後に会ったの、いつですか?」
「え?」
「1つ無礼を前提に聞きます。というよりは、要さんか能恵さんの話にいくらか矛盾があるかもだし、それを掘りますね」
「……最後に明洲と会ったのはもうずっと前になる。原稿の送り合いでのコミュニケーションが主体で、明洲は新年会とかにも出ないから、もう何年になるやら」
「それは能恵さんも同じですか?」
「知らないよ。あっちゃんは忙しいんだから、僕や明洲に関わる事はそこまでなかった。だから明洲とも会ってないだろうね」
「要さんはどうやって明洲さんと知り会いましたか?」
「あっちゃんが連れて来た」
「その時から明洲さんはスケッチブックで会話してたんですよね」
「そうだよ。最初は苦労したな、あれに慣れるのは。しかし彼は本当に筆が速い。僕と普通に会話するから」
「明洲さんってどんな人ですかね。外見とか、容貌とか」
「爽やかというか何と言うかだったな。ラフな恰好をいつもしていて、けれど飾らないいい男だと思う」
「……1つ」
車はトンネルに入る。車内を暗く染め上げ、そしてオレンジのライトが次々と通り抜けていった。長い長いトンネルは、ゴーッという音だけが響く。
お互いの表情が理解出来ないこの状況。添は口を開いた。
