「ただいま」
自宅のアパートに戻るっても明かりは無く、ただ静かな空間だけが広がっていた。真っ暗な廊下の能恵の部屋、微かな光が漏れている。
いつもはノックしなければ物凄く怒る。勝手に入って来たら物凄く怒る。だからいつもは入れない。けれど今日は違う気がしたから、勝手に入る。
「……そえ」
「ただいま」
「勝手に入って来ないでって、言ってるじゃない」
「すみません」
「謝る心が無いのね」
「無いですね」
苦笑しながら部屋を見渡す。かったばかりの本が山積みにされていて、足の踏み場が全く無い。本の山の中にいながら本を開いていない能恵は、俯いていた。
「そーま君は?」
「放置しましたけど」
「なにそれ」
「興味無かったんで。てか能恵さんがそんなボロボロだから、いいやって話になりました」
「意味が分からないわ」
「俺も分かりませんよ、あいつの事」
「……身勝手ね。そえ、もうちょっとがんばってよ」
「何をですか」
「それはあんたが考えなきゃだよ?」
「考えたからこんなことしました。ってか、能恵さんも放置でいいじゃないですか」
本が投げられて添の顔に直撃する。投げられたものが薄い新書だったためにダメージは薄いのだが、見る能恵の目は真っ赤だった。
自宅のアパートに戻るっても明かりは無く、ただ静かな空間だけが広がっていた。真っ暗な廊下の能恵の部屋、微かな光が漏れている。
いつもはノックしなければ物凄く怒る。勝手に入って来たら物凄く怒る。だからいつもは入れない。けれど今日は違う気がしたから、勝手に入る。
「……そえ」
「ただいま」
「勝手に入って来ないでって、言ってるじゃない」
「すみません」
「謝る心が無いのね」
「無いですね」
苦笑しながら部屋を見渡す。かったばかりの本が山積みにされていて、足の踏み場が全く無い。本の山の中にいながら本を開いていない能恵は、俯いていた。
「そーま君は?」
「放置しましたけど」
「なにそれ」
「興味無かったんで。てか能恵さんがそんなボロボロだから、いいやって話になりました」
「意味が分からないわ」
「俺も分かりませんよ、あいつの事」
「……身勝手ね。そえ、もうちょっとがんばってよ」
「何をですか」
「それはあんたが考えなきゃだよ?」
「考えたからこんなことしました。ってか、能恵さんも放置でいいじゃないですか」
本が投げられて添の顔に直撃する。投げられたものが薄い新書だったためにダメージは薄いのだが、見る能恵の目は真っ赤だった。
