「……何だ、またか」
「まただよ、また。あの人の暴走を止めるのが俺の役割だから、俺は陰ながら支えてるつもり。まあ高性能過ぎる車にポンコツブレーキ搭載したって意味無いけど」
「あっそ。嘘の癖に」
「何が嘘だ?」
「……兄ちゃん自身が」
添に振り向く事なく走馬は言う。声は震えているようには思えない。先程の荒々しさもどこかに消えたようなムードが漂ってはいるものの、くすぶっているようにも感じる。
「兄ちゃんの事知らないけど、ボクは分かる。兄ちゃん、あの姉ちゃんに振り回されっぱなし」
「そんなの勘じゃなくても分かるだろ。俺と能恵さんが一緒にいるところを見たことがある人達なら、絶対分かる」
「……そーいう意味じゃない」
走馬が空を仰いだ。あの時のように微かな星空ですらない、ショッピングモールの光に塗られた藍色の星空。走馬は手をのばす。
「兄ちゃんの大事なところまで、振り回されっぱなし」
「大事なところ?」
「兄ちゃん自身が、あの姉ちゃんと同じ扱いにしか見えない」
「……何言ってるんだよ。走馬、お前は間違ってる」
「間違ってない」
「いやいや、全然違う。俺が能恵さんと同じ扱い? 馬鹿言うなよ、走馬」
「まただよ、また。あの人の暴走を止めるのが俺の役割だから、俺は陰ながら支えてるつもり。まあ高性能過ぎる車にポンコツブレーキ搭載したって意味無いけど」
「あっそ。嘘の癖に」
「何が嘘だ?」
「……兄ちゃん自身が」
添に振り向く事なく走馬は言う。声は震えているようには思えない。先程の荒々しさもどこかに消えたようなムードが漂ってはいるものの、くすぶっているようにも感じる。
「兄ちゃんの事知らないけど、ボクは分かる。兄ちゃん、あの姉ちゃんに振り回されっぱなし」
「そんなの勘じゃなくても分かるだろ。俺と能恵さんが一緒にいるところを見たことがある人達なら、絶対分かる」
「……そーいう意味じゃない」
走馬が空を仰いだ。あの時のように微かな星空ですらない、ショッピングモールの光に塗られた藍色の星空。走馬は手をのばす。
「兄ちゃんの大事なところまで、振り回されっぱなし」
「大事なところ?」
「兄ちゃん自身が、あの姉ちゃんと同じ扱いにしか見えない」
「……何言ってるんだよ。走馬、お前は間違ってる」
「間違ってない」
「いやいや、全然違う。俺が能恵さんと同じ扱い? 馬鹿言うなよ、走馬」
