猫舌なのか必死でふうふうと湯飲みを冷ましている能恵。どこからどう見ても年下だよなという添の考えは、幸いにも伝わらなかった。
「あのクレープ屋ですか?」
「そっそ。納豆キムチ」
「……マジ? いやあ能恵さん。あれ食べれるようなバケモン、なかなかいませんってホント」
「そっかな。そえもよろず君も味覚おかしいんじゃない?」
「そりゃあんたでしょーが」
「そっかな」
冷ましたお茶を飲んだ直後に口を離す能恵。まだ熱かったらしく、その動作がいちいちかわいい気がしないでもない。
「あーそえー。こないださ、納豆キムチお弁当に包んだけどさ、あれ、捨てたの?」
「……風音さんにあげました」
「んまっ! 私がそこそこ必死で作った料理を! リアクションは?」
「普通に食べてましたよ。女性専用クレープですか、あれは」
「リピーターの120%が女性だってね」
「120%が能恵さんですよリピーターって」
「おばちゃんとは馴染みの仲なのよねぇ」
髪をゴムで束ねながら能恵が笑う。真っ白な長い髪をポニーテールに仕立て上げて、そして万を見た。
「最近おうち帰ってる?」
「あー、まー、えーっと、まあ、あー、うーん……。どーでしょーかねー」
「ごまかさない」
「ぶっちゃけあんまし帰ってないっつーか……。いや、週一くらいっすか?」
「帰ったげなさいよ。家族の皆さん、きっと心配してるわ」
「そうですかねぇ……。まあ、はい、なるべく顔見せるようには心掛けてはいますものの、なんつーかまあ、かったりいっす」
万がやたらと歯切れ悪く答えるのを、添はどこと無くイライラしながら見ていた。
家族に会うのがかったるい。その言葉にどこかが突き刺さったような気がして、それが妙に染みて痛む。頬杖をついて2人の会話を眺めていると、能恵が万の言葉に返していた。
「あのクレープ屋ですか?」
「そっそ。納豆キムチ」
「……マジ? いやあ能恵さん。あれ食べれるようなバケモン、なかなかいませんってホント」
「そっかな。そえもよろず君も味覚おかしいんじゃない?」
「そりゃあんたでしょーが」
「そっかな」
冷ましたお茶を飲んだ直後に口を離す能恵。まだ熱かったらしく、その動作がいちいちかわいい気がしないでもない。
「あーそえー。こないださ、納豆キムチお弁当に包んだけどさ、あれ、捨てたの?」
「……風音さんにあげました」
「んまっ! 私がそこそこ必死で作った料理を! リアクションは?」
「普通に食べてましたよ。女性専用クレープですか、あれは」
「リピーターの120%が女性だってね」
「120%が能恵さんですよリピーターって」
「おばちゃんとは馴染みの仲なのよねぇ」
髪をゴムで束ねながら能恵が笑う。真っ白な長い髪をポニーテールに仕立て上げて、そして万を見た。
「最近おうち帰ってる?」
「あー、まー、えーっと、まあ、あー、うーん……。どーでしょーかねー」
「ごまかさない」
「ぶっちゃけあんまし帰ってないっつーか……。いや、週一くらいっすか?」
「帰ったげなさいよ。家族の皆さん、きっと心配してるわ」
「そうですかねぇ……。まあ、はい、なるべく顔見せるようには心掛けてはいますものの、なんつーかまあ、かったりいっす」
万がやたらと歯切れ悪く答えるのを、添はどこと無くイライラしながら見ていた。
家族に会うのがかったるい。その言葉にどこかが突き刺さったような気がして、それが妙に染みて痛む。頬杖をついて2人の会話を眺めていると、能恵が万の言葉に返していた。
