「育児放棄ってやつですか」
「そうま君は『児』じゃあ無いけど、簡単に言っちゃえばそーいう事よ」
「じゃあ、走馬があんなに喚いていたのって……」
「世間体優先な母親が許せなかった、ってこと。彼女はパチプロやってて、家にはあんまり帰らないみたいね」
「父親は?」
能恵は黙って首を振る。それが何を意味しているのかは添にも能恵にも分かるし、走馬が1番辛いだろう。能恵はゆっくりと口を開いて、父親について述べた。
「まだ、調べてない」
「……そうですか」
てっきり亡くなったのかと思った。食べ終わったクレープの包み紙を弄びながら添は呆れがちに相槌。
「でもねぇ、調べなくたっていいかもしれない。実際そうま君が何かしら、その、勘で当てちゃうからねぇ、うん」
「どういう?」
「何かやらかす。風音ちゃんのとは話が違う。そうま自身がきっと何かやらかすわよ」
「……何をですか?」
「たまには自分で考えなさいよー。あ、私がやったことを教えなきゃだめかなぁ」
ウフフッ、と意味深な笑いを1つ。そしてクレープの最後の一口を食べ終わってから包み紙を折り始めた。折り紙でもやるのだろうか、あんな形のもので。
「走馬を煽ったんですよね」
「……まあ、ね」
「能恵さんってそういうの得意ですよね、ホントに」
「んー、そりゃあ。人間動かすにはちょちょいのちょいっと、最終的にはいい方面に向かうような、そういう感情の動かし方をしてあげればいいのよね」
「でしょうね。俺もいつだったかそう習いましたよ。そして実際試しました、風音さんに」
「……バイオリン投げ?」
おりおりおりおり。よく分からない形に組み上がる包み紙だけを見ながら能恵は問う。添はそれに頷いた。見えているかどうかは分からないけれど。
「そうま君は『児』じゃあ無いけど、簡単に言っちゃえばそーいう事よ」
「じゃあ、走馬があんなに喚いていたのって……」
「世間体優先な母親が許せなかった、ってこと。彼女はパチプロやってて、家にはあんまり帰らないみたいね」
「父親は?」
能恵は黙って首を振る。それが何を意味しているのかは添にも能恵にも分かるし、走馬が1番辛いだろう。能恵はゆっくりと口を開いて、父親について述べた。
「まだ、調べてない」
「……そうですか」
てっきり亡くなったのかと思った。食べ終わったクレープの包み紙を弄びながら添は呆れがちに相槌。
「でもねぇ、調べなくたっていいかもしれない。実際そうま君が何かしら、その、勘で当てちゃうからねぇ、うん」
「どういう?」
「何かやらかす。風音ちゃんのとは話が違う。そうま自身がきっと何かやらかすわよ」
「……何をですか?」
「たまには自分で考えなさいよー。あ、私がやったことを教えなきゃだめかなぁ」
ウフフッ、と意味深な笑いを1つ。そしてクレープの最後の一口を食べ終わってから包み紙を折り始めた。折り紙でもやるのだろうか、あんな形のもので。
「走馬を煽ったんですよね」
「……まあ、ね」
「能恵さんってそういうの得意ですよね、ホントに」
「んー、そりゃあ。人間動かすにはちょちょいのちょいっと、最終的にはいい方面に向かうような、そういう感情の動かし方をしてあげればいいのよね」
「でしょうね。俺もいつだったかそう習いましたよ。そして実際試しました、風音さんに」
「……バイオリン投げ?」
おりおりおりおり。よく分からない形に組み上がる包み紙だけを見ながら能恵は問う。添はそれに頷いた。見えているかどうかは分からないけれど。
