翌朝能恵はいなかった。いわゆる外泊だったけれど、添は気にもしなかった。「ことちゃん」が何者なのかはよく分からないが、能恵と並ぶような存在であることは確か。だから添は1人で朝食を食べた。
それからふらふらと登校して何事も無く午前中を終えて、昼休みには風音との強制イベントを終えて、んでもって午後を終える。究極に言えば何も無い1日の、そんな帰り道。添はショッピングモールを訪れていた。
「ん……?」
昨日無断早退したことを咎められたりはしたものの、全体的に見れば普通の1日だったのだが、遠くから走ってくるその存在でそれは違うということを理解する。
人を掻き分け掻き分け、中々必死の形相で走ってくる中学生1人。間違いない。トラブルに巻き込まれる前に三十六計を決め込もうかと踵を返した時。
「兄ちゃんっ!」
最悪だ。
手を振る走馬の指にはごたごたと派手な装飾が施された指輪の数々。盗む金額がやばい。
「……俺は知らねぇ」
「おいそこの高校生! そいつを取っ捕まえてくれ! 指輪トータル1000万近くパクりやがったんだよ!」
……最悪だ。
とりあえず踵を返したまま立ち止まり、そしてしばらく考える事にした。しばらくといっても一刹那でしかないのだが、添の中ではあっちにこっちと大騒ぎの脳内だった。
それからふらふらと登校して何事も無く午前中を終えて、昼休みには風音との強制イベントを終えて、んでもって午後を終える。究極に言えば何も無い1日の、そんな帰り道。添はショッピングモールを訪れていた。
「ん……?」
昨日無断早退したことを咎められたりはしたものの、全体的に見れば普通の1日だったのだが、遠くから走ってくるその存在でそれは違うということを理解する。
人を掻き分け掻き分け、中々必死の形相で走ってくる中学生1人。間違いない。トラブルに巻き込まれる前に三十六計を決め込もうかと踵を返した時。
「兄ちゃんっ!」
最悪だ。
手を振る走馬の指にはごたごたと派手な装飾が施された指輪の数々。盗む金額がやばい。
「……俺は知らねぇ」
「おいそこの高校生! そいつを取っ捕まえてくれ! 指輪トータル1000万近くパクりやがったんだよ!」
……最悪だ。
とりあえず踵を返したまま立ち止まり、そしてしばらく考える事にした。しばらくといっても一刹那でしかないのだが、添の中ではあっちにこっちと大騒ぎの脳内だった。
