「うん、似合う似合う」
笑顔で頷くあおい。
つられて私も笑顔になる。
夏しか味わえない、浴衣の魔法。
その後は私があおいを手伝って、
驚く程大人っぽく変身したあおいは、下駄を鳴らして出掛けていった。
きっとヨウくん、びっくりするだろうなぁ……。
鏡の前で一周してみる。
窓から入ってきた風が、髪飾りをシャランと揺らした。
凜久、喜んでくれるかな。
出来上がった料理を持って、ドキドキする胸を抱えて2階へと上がっていった。
静かに部屋のドアを開けると、小さな寝息が聞こえる。
ベッドの脇に腰を下ろして、その寝顔を見つめた。
――ドキ、ン……ッ
途端に跳ね上がる心臓。
ドキドキと加速する心臓とは裏腹に、柔らかい鳥の羽でくすぐられるような焦れったさも感じて。
やっぱり私、おかしいよ――。
冷静を装いながら、汗で張り付いた髪を払って、濡れたタオルを肌に滑らす。

