今までの俺なら、きっと止まれなかった。


「瑠璃」

それを止めてくれたのはきっと、瑠璃の存在が日々大きくなっているから。


――大切だから。




「凜久の……えっち」

なんて、柄にもない言葉をこぼされても瑠璃が大切なんだ。


そんなことを言っておきながら、俺を暴走させるのはいつだって瑠璃だけどね。



「……このままシちゃう?」

「しない、もん」

きっぱり言われ、加速していたカラダは、ピッタリ止まった。



こうして、甘いホワイトデーは
俺の体にほろ苦い余韻を残し、幕を閉じた。




瑠璃って酔うと

大胆になるんだ……


今度、飲ませ……
なんてアブナイ考えを、そっと胸に閉まって。