「結局、空ちゃんは何色選んだんだろうね?」

「あ、やっぱり気になる?」


凜久の部屋でのいつもの勉強会。


ふと、空ちゃんの会話になる。




「結局、最後まで“秘密~っ!”なんて言って教えてくれなかったんだよね」

「……そっか」


あの後、空ちゃんが寝ている間ずっと手を繋いでて。

その間に、おばさんが夕ご飯を作ってくれて。


本当は、私も一緒にお手伝いする予定だったんだけど……。




「すーすー……」

天使の寝顔を時折見ながら、オレンジ色に溶けていく夕焼け空をひたすら眺めて。



「ごちそうさまでしたー」

ふぅ~、とお腹を抱える空ちゃんの顔は満足げ。


「空、凜久お兄ちゃんとお風呂入る!」

「あら」

驚いたおばさんと、目を見合わせる凜久。



今、思い出すと恥ずかしいことしたなって思っちゃうんだ。