「普通の家の普通の子、ねえ」
 
スクセがつぶやく声で、

リャウカはまどろみから覚めた。
 
一瞬、

夢の中にスクセは現れていた。
 
マモウルの傍から離れると、

真っ直ぐにリャウカの傍に来て笑いかけた。

そして、

スクセの声に起こされた。
 
もうみんな寝静まっていると思っていたのに、

じゅうたんで仕切られた向こう側には、

人の起きている気配があった。