確かに、リャウカは組織を脱走した。
 
そこで育てられた人間が、組織を裏切ることは、

育ての親に刃向かうようなものだ。
 
それに、リャウカがここにいることで、

このグループにも、危険が及ぶかもしれない。
 
もっとも、それを承知でリャウカを喜んで迎え入れるだけの価値が、

リャウカにも、リャウカの持ち出した情報にもあるのだろうけど。
 
そういういろいろな思いが、リャウカに纏わりついてきた。
 
このまま転がっていても、眠れそうにない。

リャウカは、眠るのを諦めて、身を起こした。