イズミの元気さと、好奇心の塊みたいな性格のせいで、

その手綱を取らなければいけないスクセの方がバテそうだった。

スクセは、テントの外に盛り上げた砂の上に腹ばいになると、

双眼鏡を取り出した。
 
イズミが指差していた方を見てみる。
 
なるほど、地平線の彼方に、人影が一つあるのが見える。
 
でも、それが誰なのか、男なのか女なのか、

こっちへ向かって来ているのかどうかも、分からない。

「全く、イズミの目には驚かされる。」