手のひらの終焉

もう、こりごりだった。

今さら逃げ出したところで遅いのだが、

これ以上連中の右腕になってやるのはごめんだ。



頂くものは頂いたことだし。

そろそろ逃げますか。



昨日のうちに司令室に忍び込んで、欲しい情報を引き出しておいた。

それをコピーしたメディアは、ロケットの中に隠してある。

リャウカには、何の情報だ全く分からないのだが、

流出することで組織が壊滅的な打撃を受けうる重要な機密らしい。

あのヒト達にとっては切り札となるのだ。