あたしが散々またいで通ったあの男だ。
 
止血してあげただけなのに、元気に起き上がっている。
 
何てタフなんだろう。
 
思って、自分もだな、と思った。

「ありがとう、あなたが手当てしてくれたの?」

「お互い様だ」
 
リャウカは起き上がろうとして、全身を貫くような痛みに、

体を硬直させた。

ゆっくりと、体を横たえ直す。