「マモウル」

『何かおかしんだ、あたし』

そう言いたくても、痛みで声が出なかった。

「まだ、分からないのね」
 
天使はつぶやくと、手に目いっぱいの力を込めた。
 
ナイフが、さらに深くリャウカの身に沈んだ。
 


マモウルが、あたしを刺しているんだ。
 

そう気付いたときには、すでに傷は致命傷だった。