リャウカは相手が爆発に気を取られ、

視界を塞がれている間に、建物に近づいて、中に入っていた。
 
砂ぼこりを避けるために、頭から深く布を被っていた。

その格好のまま、中にいる敵を油断させるために、

窓から幾つか石を投げて地雷を誘発させた。
 
そうして、二階へ続く階段に向かった。
 
外観とは違い、中は作られたばかりのように、綺麗だった。
 
二階から光が漏れていたので、階段の位置はすぐに分かった。
 
光に向かって上がっていく。

それにしたがって、目に映るものが信じられなくなった。
 
さっき見ていた窓がぽっかりと口を開けた、

正面の様子は、フェイクだったのだ。

そちら側には窓はなく、壁が一面を覆っていた。

見張り用の長細い、仕切りのない部屋があるのだろう。

ドアが一枚だけ付いていた。
 
後ろ側にも一枚の窓もなく、そのフロアは、

オレンジ色の煌々とついた明りに照らされていた。
 
コンクリートの階段を登りきると、

大理石張りの広いフロアが口を開けていた。