手のひらの終焉

リャウカの目が、深いグレーに戻る。
 
星明りを受けた湖面がきらきらと輝いている。

「こんなところに」
 
が、その湖をよく見ると、周りがきっちりと、

両手に納まるほどの石で囲まれている。
 
近づいて行って石に触れてみた。
 
ひんやりとした感触のその石は、つややかで

どう見ても、砂漠にあるような石ではなかった。
 
誰かが、膨大な手間とお金をつぎ込んで、

ここに運ばせたものに違いなかった。
 
それにもしかしてこの湖も。
 
水に手を入れる。
 
冷たい感触がゆっくりと手を飲み込んでいく。
 
肘まで水に浸かったとき、指先がざらりとしたモノに触れた。
 
そのままさらに手を突っ込んで、

手のひらで水の底を撫で回した。