手のひらの終焉

熱を感知できるのだろうか。
 
先に熱を放出して冷たくなった鉄製の地雷が、

浅く埋められているので、そこだけ熱が違って見えるのだ。
 
リャウカは木の方へ視線を上げた。
 
冷たい木や草が、赤みがかって見える。
 
トラップであるピアノ線が数本、赤い線を描いて張られてあった。

リャウカはそれをよけながら、木と草の茂る中へ一旦姿を隠した。
 
木が何本か密集して生えており、その下は雑草で覆われていた。
 
よほど水が豊富なのだろう。

 思って見ると、木々の向こう側に、赤いものがちらついて見えた。

草を踏みしめて行って覗くと、その奥に小さな湖が姿を現わした。