手のひらの終焉

もう、どっちだか分からない。
 
あのグループにいて作られた、束の間の暖かい記憶が、

リャウカの頭の中を駆け巡った。
 
もう、戻れない。

多分。

あの中にも、人間にも。

 
息苦しくなって、顔を上げた。
 
リャウカの瞳は、戦闘モードの赤色に染まっていた。
 
さっきまでよりも、視界が開けている。
 
トラップまでが、リャウカの目にははっきりと見えていた。
 
足元の少し先に、地雷がある。