狭い方のテントの入り口になっている分厚いじゅうたんを

そっとめくって中を見た。

男臭さと、彼らの体に染み付いた血のにおいがリャウカの鼻をついた。

何人も、殺し続けてきた者たちに染み付いた匂いなんだろう。

きっと、あたしもこんな匂いがするんだろうな。

アモーレ達は、この匂いを、あたしから嗅ぎ取っていたに違いない。

アモーレの顔が頭に浮かんで、リャウカの心臓を軽く掴んだ。

リャウカはそれを頭を横に振って振り払うと、

じゅうたんを押しのけて男たちのいる中に体を滑り込ませた。