彼が音もなく崩れ落ちると、

リャウカはリュックを降ろして、険しく削れた砂の坂を滑り降りた。

他に見張りはなく、二つのテントだけが張られた広い空間に降り立つ。

と、リャウカはピアスを外してロケットになった入れ物から、

中身を出して口に含んだ。

スクセ達に渡したのとは別の耳に、ずっとつけていたものだ。
 
カプセル状になった薄いガラスだ。