二人して目を上げて、ずっと向こうにぽつんと

乗り捨てられるように止まっているジープを見つけた。

「ここ?」
 
何もないところだった。ここから徒歩で逃げたのかもしれない。
 
と、

「車の向こう側にくぼんだ土地がある。

そこにキャンプがあるのかもしれない」
 
何で車をこんな目立つところに乗り捨ててあるんだろう。
 
途中でわだちの跡を消すことで、

完全に追跡の目を撒けたと思ってのことだろうか。
 
腑に落ちないながらも、ジープの方へ向かって歩いた。

近づいて、覗き込んだ中身は当然空っぽだった。
 
身を潜めて窪地のあるらしい方へ歩いていくと、

本当に、十数メートルは窪んだ土地がぽっかりと口を開けていた。
 
その中央ほどに、テントが二つ、張られてある。