手のひらの終焉

「いくら、あたしが脅威の視力の持ち主でも、

砂が入ったんじゃあ、使い物になりません」


ノインはその立場上、その場を動く必要はなかった。

用があれば、脇で見ているほかのものにやらせればいいのだ。

そこを押して、彼はわざわざに立ち上がった。

そばにいる者達が、ぴくっと引きつる。

ツカツカとはっきりした足音でリャウカに歩み寄る。

と、ニヤけていたリャウカの顔を、

手の甲を使って弾き飛ばした。

腰の重い上官が自らご丁寧に制裁を加えたのだ。