手のひらの終焉

「あの」
 
スクセがおずおずと声を掛けてきた。
 
ついさっきまで、この人の態度に

心拍数を支配されていた気がするのに、

そばにいても何も感じない。

アモーレに比べたら、

あまり魅力を感じなくなっている。

 
オカマさんの色香にやられたのか、

リャウカ。

 
思って、自分で笑った。

 
そうかもしれない。

 
女装の下のアモーレは強烈に魅力的だった。

「一つだけ約束して欲しいことがある。

それを守ってくれると誓うのなら、

オレも、リャウカを信じることにする」