手のひらの終焉

と、

突然にリャウカにピンチが訪れた。

 息が出来ない。

「アモーレ、死ぬ!」
 
もがもがと言うと、

アモーレには通じたらしく、

大人しく離れてくれた。

「ばあか。鼻で息しなさい。」
 
つんと澄ました美女が、

目の前にいた。
 
さっきまでのは何だったのかと眼を疑う。
 
今思うと、

呼吸さえ出来ていたなら、

脳みそが半分蕩けそうな感覚だった。