手のひらの終焉

アモーレは綺麗だが、

いつまでも顔のどアップを見ていたくないので、

眼を閉じた。
 
触れられている、

感覚だけになる。
 
力ずくで押し付けている腕には、

痛くないように、

気使われているのを感じる。

アモーレは視覚と臭覚を閉ざして見れば、

凄く男性的だった。
 
何で女装なんかしてるんだろう。
 
ふと疑問に思うほどだった。
 
しかも心地いいのだ。

アモーレがオカマさんじゃなかったら、

男の人として嫌いじゃなかったかもしれない。