~Snow White~『ニ巻』

「もしもし~」

このふざけた声は洋平だ


「洋ちゃん?」


「あれ?利香ちゃん?
よくわかったな~って
愛する人の声間違えないって?」



「竜ちゃんは?」


「めずらしく出かけてる。」
利香は泣きそうになった。


「そっか・・・・出かけたの。」


「なんかあったのか?
実家行ってるんだろ?
大丈夫か?」



涙が溢れた。

「う…うっ……」
こらえきれずに嗚咽が出た。


竜平だったら

「大丈夫だよ、声が聞きたかったの。」
それだけ言って明るく
電話を切ろうと思っていた。


相手が洋平だと思うと話して楽になりたい
そう甘えてしまう・・・・・
利香は泣きじゃくりながら
「怖い…助けて……」

心をさらけ出す。