~Snow White~『ニ巻』

「でもね…あんなことになるまでは
とても優しくて尊敬していたの。
兄が言ったわ。
私が悪いんだって……
誘ってるように見られるのかしら。
そんな女じゃないのに……
兄が変わってしまったのも
きっと私のせいなんだわ。
竜ちゃんもいつか兄のように
なってしまうんじゃないかって
怖いの・・・・
好きな人が変わってしまう
恐怖感が・・・・・」



「若い男はそれでなくても
自制ができないから・・・・。
それをコントロールできない。」



「竜ちゃんに申し訳ない。
竜ちゃんに知られたくない。
だってきっと軽蔑されるもん。」


「バカだな、そんな男なら
さっさと別れてしまえ。
であいなんていくらでもあるさ。
おまえは美人で可愛いし。」



利香が泣き笑いになった。


許されるなら
抱きしめてやりたかった。
でも利香の傷を聞かされたら
抱きしめることが
はたして最善なのか


 簡単に手なんか出せない

事情を知って
洋平の想いは複雑だった。