~Snow White~『ニ巻』

朝帰りの道
コンビニでコーヒ―を買って出てきた
洋平の向かい側を
利香が竜平に絡まって
歩いていた。



洋平はしばらく立ち止って
二人を見送った。


昨日夕日に輝いていた利香は

「私は竜ちゃんを苦しめているから。」
と悲しく笑った。


「本当のこと知られるのが
怖いの・・・・。
竜ちゃんに軽蔑されるのが
怖いから……でももう
限界かも……」


そう言って茜色の空を見上げた。



「何を苦しんでんの?」

利香は悲しそうに笑った。


「あの時見た、あの男のこと?」


執拗に迫っていた男を
思いだした。


利香の目から一筋の涙が
頬をつたった。