稔に会いに行った。
ホテルの一室に来るように言われた。
ホテルという場所に全てがあった。
「待ってたよ。」
この爽やかな笑顔のどこに
悪魔が住んでるんだろう。
利香は黙ってその手に引かれた。
「お金を貸してくれるって……」
「こうして一緒にいてくれるなら」
稔の唇が首筋を這う。
「不幸ね、あなたって。
そうしたのは私?」
「そうだな、おまえに会わなかったら
こんなことはしてないだろ。
家族に囲まれて、けっこうアウトドア派の
父親になって、息子が少し大きくなれば
一緒に昔旅したところに
連れて回って・・・・・・・
そんな普通の男だったろうな。」
「兄と妹でいたかった。
あなたが兄でいてくれたら
もっともっとあなたを愛していられた。」
「兄として他の男に
とられるのを祝福できるほど
人間できてないからな。」
利香の体に触れる手は
愛おしげだったが
利香にとっては身の毛もよだつ
耐えがたい時間だった。
ベットに押し倒された瞬間
灰皿に目がいった。
ホテルの一室に来るように言われた。
ホテルという場所に全てがあった。
「待ってたよ。」
この爽やかな笑顔のどこに
悪魔が住んでるんだろう。
利香は黙ってその手に引かれた。
「お金を貸してくれるって……」
「こうして一緒にいてくれるなら」
稔の唇が首筋を這う。
「不幸ね、あなたって。
そうしたのは私?」
「そうだな、おまえに会わなかったら
こんなことはしてないだろ。
家族に囲まれて、けっこうアウトドア派の
父親になって、息子が少し大きくなれば
一緒に昔旅したところに
連れて回って・・・・・・・
そんな普通の男だったろうな。」
「兄と妹でいたかった。
あなたが兄でいてくれたら
もっともっとあなたを愛していられた。」
「兄として他の男に
とられるのを祝福できるほど
人間できてないからな。」
利香の体に触れる手は
愛おしげだったが
利香にとっては身の毛もよだつ
耐えがたい時間だった。
ベットに押し倒された瞬間
灰皿に目がいった。


