~Snow White~『ニ巻』

「俺の力じゃなかったんだって……
今までの嘘みたいな
順調さは……俺の力なんて
これっぽちもなかった。」



「そんなことないよ。」



「にいさんが手を引いていたって
利香も知ってたんだろ?
情けないな~そうともしらず
有頂天になってバカみたいだ。
俺は結局
竜平に勝つことも並ぶことさえ
できないんだ。
情けない・・・・・。
利香を幸せにするって誓って…
あの夜自分のものにしたのに……」



「そんなことお願いだから思わないで。
幸せよ、本当に・・・・
感謝してる。」




「俺みたいな無能な男には
利香を幸せにすることはできないんだ。
おにいさんの言うとおりなのかも
知れないな……。
無能で無知で・・・・・・・。」

洋平の声が泣き声に変わった。

利香の胸は押しつぶされそうだった。


 許さない・・・・・絶対・・・・