~Snow White~『ニ巻』

「どうしてここが?」



「とおにわかってたよ。
双子を監視しておけばわかることさ。
俺も忙しくてさ……
会社の方に夢中だったから
少し泳がせてたら
こんなことになってた。」

稔は笑った。


「何しに来たの?」


「迎えに来たさ。
そろそろ俺のとこに戻ってきて
もらわないと。」



「バカなこと言わないで。
私は家族がいるわ。」



「雪湖ちゃんだけいいよ。」



「ふざけないで。」




「言っただろ。
俺が忙しい間だけ自由にする約束だ。
会社は思い通り手にいれてきたし
あとはおまえだけ
俺のものにすればいいんだ。
それで全部揃うんだ。
俺の大事なものが。」



「このまま忘れて・・・・。
やっと幸せになれたの・・・・。
家族を持って
これから洋平に恩返ししていかなきゃ…」