~Snow White~『ニ巻』

洋平の手が利香の頬を激しく
打ちつけた。


「しっかりしろよ!!
おまえは俺を何だと思ってる?
ここに連れてきて
ここでおまえが死んだら
俺はこの先どんだけ罪の意識に
苛まれて生きていかなきゃなんないのか
俺のこと少しか考えたことあるのか?」


利香の歯が激しく激しく鳴りだした。


言葉にできないほどの
寒さと冷たさが
利香を襲った。



もう利香は震えることしか
できなかった。



「俺がいるだろ?
どんだけ俺を待たせるのよ?
おまえとチビには俺がついてる。
俺が守るから
俺にチビを抱かせてほしい……。
俺に悪いと少しでも思ってるなら
そばにいてほしい。
チビは俺の子供だよ。
だってさ父親は双子だし……
なんの心配もないじゃん………」



「ウッ…ウ・・・ウ・・・・」
利香の嗚咽が震えと一緒に
暗闇に悲しく響き渡った。