その時、竜平の携帯が鳴って

妻と二人の娘と男の子が写った
画面が出た。


利香は竜平の胸を押した。



「早く、出なさいよ。」



「いや…出ない……」



そして利香をまた抱きしめた。


「ここで会えたのは運命だよ。
俺は利香を離してはいけないんだ。」


「勝手なこと・・・・
私がどんなに傷ついたか
泣いたか…苦労したか……
知らないくせに・・・・・・」

利香の目から涙が零れ落ちた。


「愛してる・・・・」



「うそつき・・・罰があたるわよ。」



携帯は切れた・・・・・

そしてまた鳴った・・・・・


利香は夏絵の顔を見た・・・・・

 あなたが竜を奪った罰を・・・・
 復讐してもいい・・・?


「出ないの?」



「出ない・・・・」
竜平の唇が触れた・・・・・・・。