~Snow White~『ニ巻』

あの日・・・・・・
泣いて泣いて声がかれるまで泣いた・・・


自分はこれからどうするべきか


逃げてしまおう・・・・
そう思ったらここにあるものが
全て不必要になった。


とりあえず
身の回りのものを片付けた。


仕事には体調が悪くて今週一杯
休みがほしいと言った。

洋服や、もっていける家具は
リサイクルに・・・
最後に携帯を解約した。
部屋はこのまま・・・・・
家具はおいたまま・・・・
いなくなったことに気づけば
なんとかなるだろう。


あるったけのお金と
持って行ける身の回りのものを
スーツケースに詰め込んで


いつか竜平と出かけたいと思っていた
温泉を予約した。


そこがここの旅館だった。


従業員募集と入り口の掲示に

客として宿泊をして

女将に頼みこんで
従業員にしてもらった。

「住み込み希望の方はいろんな
事情のある人が多いから。」
女将はそう言って利香を受け入れてくれた。


無理を言って働かせてくれた女将のために
利香は必死に働いている。