~Snow White~『ニ巻』

「ようこそいらっしゃいました、
長旅お疲れ様でございます。
このたび担当させて
いただきます仲居の白雪でございます。」


「うわ~」

男たちのおふざけに
背中を向けて吹き出した。


中庭の中央に白いバラ園があった。


 アイスバーグ・・・

それはみごとな白い花



胸の痛みに中庭に魅入っていた。


「今回は白雪さんご指名だから~
みんな迷惑かけんなよ。
布団も自分らで敷くように・・・・」
佐藤の発言にまた爆笑


「いいえ、困ります。
わたくしがみなさまが宴会を
楽しんでいる間に
セットしておきますから~」

白雪の声は明るく弾んでいた。


その声を聞きながら
竜平はあの日持って行った
花束を思い出していた。



「宴会場は六時ですね。
それからスナックを九時から二時間の
ご予約ですね。
ご朝食は・・・・・」

テキパキとした声に
自然に聞き入った。


「それでは、お茶でもお飲みになって
どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
何かありましたら
わたくしの番号は七番ですが
九時からは申し訳ありませんがフロントに
ご連絡お願いいたします。
失礼いたします・・・・・。」


白雪は部屋の外に出て行った。


「うわ~なまら美人じゃん~~~」
大盛り上がりに竜平は振り向いた。