~Snow White~『ニ巻』

「おとうさま~」
つたない発音で娘が呼ぶ。


あれから4回目の冬がやってきた。


長女の美春は4歳

二女の千秋は2歳になっていた。



「ダッコして~」
千秋は竜平の足元にじゃれつく



「高いぞ~~~」
千秋はキャッキャと声をあげる。


「ミーちゃんも~」
長女の美春を今度は抱き上げた。


「美春大きくなったな~」
今年から幼稚園に通いだした
美春はすっかりおねえさんになっている。



その横でうらやましそうに見てる
智久も忘れない。


「トモも来い!!」
もうすぐ9歳になる。


「おまえも俺の子だぞ。
遠慮しちゃだめだぞ。」

賢い目をしてる・・・・

智久もわが子と変わりはなかった。


少し年老いた父も三人の子供に
囲まれて楽しそうだった。
とくに、智久を可愛がっていた。


「竜平を助けるんだぞ。
それがおまえの恩返しだからな。
おまえは賢い目をしてる。
きっといい右腕になるだろう。」

最近父はそんなことばかり言うようになった。